職業がら、先週は神田小川町の東京古書会館で開かれていた「七夕古書大入札会」に行ってきました。年々品薄になってきているとか言われますが、行けば行ったでいろいろなものが見られて楽しいものです。七月の明治古典会の入札会は、近現代の文学書も多く、寺山修司(1936-83)の第一歌集『空には本』(的場書房・1958)を手にとってじっくり見ることができました。ダメージの少ない良い本でした。ブックカバーが付いていてこの装幀(装画)が岸田衿子、中には野中ユリの銅版画(オリジナルではなく、印刷ですが)が入っていることを今回初めて知りました。岸田衿子の表紙画は線描で童画のよう、力が入っていない「かるみ」と余白の使い方が素敵です。野中ユリは抽象の銅版画でおもしろいものでした。野中のコラージュも綺麗だと思いますが、初期の銅版画の不思議な形象は幾度見ても飽きません。野中ユリ10代後半の作品。